会員ブログ・ゴッホ展のことから的な考察(吉沢裕紀子)

2022年1月5日


2022年も始まりました。

ことから認定講師の吉沢裕紀子です。
今年もよろしくお願いいたします。

コロナもこれで終わりかなと安心したのもつかの間、またオミクロン株も出てうんざりですね。デルタ株が急速に減り、出かけても大丈夫という気分の昨年12月、ゴッホ展に行ってきました。

ゴッホの絵の年代順に展示されていたので、1890年にゴッホが自殺に至るまでの内面の変化が絵の中にはっきり。
ことからセラピーで観てみましょう。

1888年4月に描かれた『糸杉に囲まれた果樹園』
ここでは花の咲き乱れる果樹が描かれています。

1888年6月半ばに書かれた『種まく人』ゴッホにとってとても重要なモチーフ、太陽が輝いています。

この頃のゴッホはアンデパンダン展に作品を出品したり、ポール・ゴーギャンと交流が始まったりととても楽しい時期です。

1889年7月に描かれた『麦束のある月の出の風景』
この絵では太陽ではなく月ですが山に半分隠れて描かれています。

1889年12月に描かれた『夕暮れの松の木』
この絵でも太陽は半分隠れています。
前年の絵で花が咲いていた木は、ここでは内面を表す左半分に描かれ、枝も幹も途中で折れています。自分の内面の傷ついた様が表れています。

この頃のゴッホは1888年12月にたった2ヶ月で終わってしまったゴーギャンとの共同生活の失意、発作、左耳を切り落とし入院、療養院に自ら入院、といった日々でした。

1890年5月に描かれた『夜のプロヴァンスの田舎道』
ゴッホは左上に描いたのを星、そして右上に描いたものを三日月と説明しています。ゴッホにとって生命力の象徴といってもよかった太陽はもうほとんどなくなりそうな三日月に変わっています。私にはそれが日食で消えてしまいそうな太陽にも見えます。
左上に書かれている星は、輝きは大きいものの冷たいレモンイエローで描かれ、まるで月のようです。ゴッホにとってその時一番必要なのは癒しだったのかもしれません。

同じく1890年5月に描かれた『悲しむ老人』(「永遠の門にて」)
左端中央に暖炉が描かれています。花の咲いていた木が折れた木に変わり、さらには焚き木になって燃えて無くなってしまう…
この絵が、自らの胸部をピストルで撃つ2ヶ月前に描かれたと思うと心が痛みます。

大学生の頃までそれ程好きではなかったゴッホですが、初めて本物の『オーヴェールの教会』を観た時、本当に感動してそれ以来好きな画家の一人になっています。上手とか技巧とかを超えて、その人自身がそこにあるからでしょうか。

ことからセラピーを通して、また新しい鑑賞方法で楽しめました。

今年も様々な応用ができて楽しいことからセラピーの講座にご一緒できたらと思っています。
1月13日は、ことから無料体験会。お時間はリクエストに応じます。他の日にちでも大丈夫です。

是非、ことからを通していろんな気付きを受け取っていきましょう。